私ははるばる春の南房へやってきた。
千葉が誇る名峰、伊予ヶ岳を踏破するためにやってきたのだ。
伊予ヶ岳とは千葉県南房総市にある山で、標高336.6m。
標高はそれほどでもないが、千葉に在する山で唯一、岳の称号を与えられている。
なめてかかっては危険が危ない山だということがうかがえる。
見えてきたぞ。
あの険しく見える峰がこれから向かう伊予ヶ岳だ!
私を誘うかのようにそびえたっている。
あの山に何が待っているのか。
期待で私の瞳孔は開きっぱなしだ!
途中の道路沿いにある六地蔵登山口に寄り、案内板を確認する。
ここから登ることもできるのだが、ここには車を停められるようなところはない。
六地蔵登山口から望む伊予ヶ岳。
畑にカラスが吊るされているように見えるかもしれないが、私の見たところあれは作り物なので安心してほしい。
さらに先へ進む。
ここが天神郷登山口。
平群(へぐり)天神社だ。
天神社の横には車が停められるようになっている。
立派なトイレもある
さすがは千葉県だ。
いざ準備を整え、伊予ヶ岳の踏破を目指し歩き始めることとする。
伊予ヶ岳についての案内板を発見した。
山名の由来は、四国は愛媛にある石鎚山の別名「伊予の大岳」からきているらしい。
石鎚山は近畿より西の西日本における最高峰だ。
私を歓迎するかのように花が咲いているぞ。
林の中をゆく。
この先に富山へと向かう分岐があった。
六地蔵登山口へ降ってゆくではないかと思うが確かなことはよくわからない。
休憩所を発見した。
ここまでは特に危険なところはない。
ここで嶺岡中央林道への分岐があった。
これはおそらく関沢登山口へと降るのではないかと思う。
休憩所からは平群の集落が見渡せる。
あの双耳の山はこのあたりのかつての町名でもある富山だ。
「ハイキングコースはここまで。この先は大変危険なので行こうとする者は注意せよ。」との看板が立っている。
いよいよ伊予ヶ岳も本気を出してくる。
気合を入れて臨むこととしようか。
きたぞきたぞ。
ここからしばらく険しい縄場が連続する。
この岩場、それほど危険ではない。
だがしかし伊予ヶ岳が全力で向かってきてくれているのだ。
私も自ら虚を捨てて本気で立ち向かわねばならぬ!!
景色は良い。
ついに頂上らしきところが見えてきたぞ。
伊予ヶ岳頂上だ。
標高336.6m。
古ぼけた案内図を発見した。
正面の山は富山。
大島、伊豆半島、富士山までも見えるらしい。
富山。
左方には平郡の集落。
右方には遠く千葉の盟主、鋸山が見える。
残念ながら空気が霞んでいて富士山など遠方はまるで見えなかった。
さらに右に顔を向けるとあれは伊予ヶ岳北峰だ。
ここは南峰・・・。
私が調べた文献によると標高336.6mである伊予ヶ岳の最高地点は北峰とあった。
なぜこの南峰に「伊予ヶ岳 標高336.6m」などという山頂気取りの表記があるのか・・・。
あやうくだまされるところであった。
伊予ヶ岳、油断できぬ山よ。
周囲を見回し北峰への道を見つけた。
降っては登り。
登っては降り。
あれが北峰頂上への・・・。
ついに北峰山頂にたどり着き伊予ヶ岳を制覇したぞ!
南峰を望む。
さすがに伊予の大岳、石鎚山から名前をもらうだけあってなかなか風格のある山容だ。
山名、標高の看板を南峰が任されている理由もここから眺めることで理解できた気がする。
さて北峰に戻ってきた。
ここにはベンチと机があるので遅めの昼食としようか。
おわり
赤1=平群(へぐり)天神社
青1=六地蔵登山口
青2=天神郷登山口
青3=関沢登山口
橙1=伊予ヶ岳南峰
橙2=伊予ヶ岳北峰
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