北海道道南。
ちょうどエビの尻尾のような部分の外側を私は今、走っている。
この海岸線沿いの道は本当にすばらしい。
景色は最高だし、車の通行量もほとんどなくて実に走っていて楽しい。
左手に奥尻島を見ながら追分ソーランラインと呼ばれる国道229号線を走り、途中で国道229号線が内陸に入っていく部分で左に曲がり海岸沿いにさらにゆく。
この先に日本一危険な神社といわれる太田山神社という場所がある。
いったいどれほど危険なのか。一度自分の目で確かめたくて行ってみることにした。
こんにちは。かるがもです。
ここは北海道久遠郡せたな町。
太田山神社へついにたどり着いた。
太田山神社の鳥居の前に立つ。
このあたりの山には羆もいると聞く。
本当に危険な神社だ。
この鳥居をくぐった先にいったいどんな冒険がわたしを待ち受けているのか。
道南霊場太田神社タオル。1本500円。
何名かの名前が書いてあり、そこのお宅で買うことができるらしいが集落がどこにあるかはよくわからない。
おそらく山の中だろう。手に入れようとすれば命賭けのタオルとなる。
さあてゆくとしようか。
歩を進めようとした私の目の前にいきなり急角度の石段が立ちふさがる。
しかしあわてるな。よく観察しろ。
はるかに上からロープが下がっている。
まるで蜘蛛の糸だな。私は芥川龍之介などはあまり知らないが。
この石段の角度は45度ということになっているらしいがそれよりもきついように見える。
コンベックスがあれば一段の高さと奥行きをコツコツと調査しておきたいところだが、残念ながら今日は忘れてしまった。
一度の探検であれもこれも調査したいというのはぜいたくだな。また来る口実ができてよかったとしよう。
最高の天気の時に山に登るとその後はその山から足が遠のいてしまうと聞く。探検も同じだ。また出直してこいということだな。
ふー、しょっぱなから試練を与えてくれるわい。
しかし時間はたっぷりある。慎重にゆくこととしようか。
こんなところから足を滑らせたら無事ではすまない。
石段を登り終えるとその先は山道となっていた。
コツコツとした山道はかるがも隊長にまかせろ!
山道をゆく。
落石注意。
まったくこの太田山神社ってところは滑落、羆、マムシに落石と危険の総合商社か!
はしごとロープが設置されている。
どっちでも好きな方で登れるようす。
岩の下に石仏。
ついにたどり着いたか!
しかし調べてみるとどうもおかしい。
本殿はたしか崖の上のほこらであったはず。
そうか、ここは女人堂か!昔は女性はここまでしかくることを許されていなかったという女人堂。
本殿ではない!
女人堂の裏に小道が!
フフフ、ドラクエでは玉座の後ろを調べると階段があった。
同じようなことだったな。
木々が開けてそびえ立つ岸壁があらわれた。
まさかここを登らねばならないのか?これは撤退か!?と一瞬思ったが道は壁の前で右手の方に巻いていた。
鳥居が見えてきた。
あれは本殿か、それとも今度は男人堂か?女人堂2か?
なんでもいい、私の体はもう疲労でボロボロだ!
鳥居の先は開けていて橋が架かっていた。
むむむ、なんだか険しくなってきたようす。
橋を渡り終えると垂直に近い崖があり、上の方にある洞窟からリングチェーンが下がっていた。
これを登れということか。
必死で登りきるとそこはほこらだった。
これが太田山神社本殿か!
穴の中はせまく、ここに同時に入れるのはせいぜい4、5人くらいだろうかというところ。
まさか崖の上の洞窟にあったとは、日本一危険な神社は本殿自体も危険だった。
日本一危険な参拝を終えて慎重に降りることとする。
遠く下に見える海に突き出た岩の上に太田山神社の拝殿があるらしい。
遠くかすかに奥尻島が見える。
さて気をつけて下山してゆくこととしようか。
女人堂が見えてきた。
ここがちょうど行程の半分くらい。
そろそろ太陽が沈みそうだな。
少し急ごうか。
山中は暗くなるのが早い。
足元がすべらないように気をつけてゆく。
石段までたどり着いた。
はっきりいってこの神社ではこの石段が最も危険だと心から思った。
ふー、どうやらまだ日があるうちに無事に降りられそうだ。
かかった時間は神社本殿まで50分くらい、降りが30分くらい。
降りてしばらくすると太陽が沈んで暗くなってしまった。
今日はここから車で30分くらいのところにある平田内温泉 熊の湯という野湯に行くつもりだったのだがこう暗くなっては山の中の無人湯などは危ないな。明日にしようか。
おわり
青=神社入り口
赤1=女人堂
赤2=太田山神社本殿
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