秘境にたたずむ関の犬岩

千葉県の南部に「S秘境」と呼ばれる場所があるのは一部の者の間では有名だ。
秘境・・・私が探検家を目指す者の端くれであるからにはいつかは探索せねばなるまいとは以前から考えていた。
そしてその機会が訪れた。
S秘境、その真の呼称を得たのだ。
その名も関の犬岩!

ついに謎への扉は開かれた。
かるがも探検隊!関の犬岩を探索せよ!

関の犬岩、その場所がどこなのかは意外と簡単に判明した。
関の、という通りに千葉県は富津市の関という地区にあるのだ。

現地に到着した。さっそく探索を開始することとする。
まずは案内板の調査からだ。
確かに犬岩と書いてある。
やはりここが犬岩で間違いはない。
そして犬岩までの到達時間は4分程度とある。
これは思っていたより短く拍子抜けしそうになるが、おそらく4分という短時間にハイな危険が多数存在するということだろう。
S秘境と呼ばれているのは伊達ではないはず。
細心の注意を払ってゆくこととしよう。
悪魔のように繊細に、天使のように大胆にだ!

探索をはじめてしばらくはいかにも春の房総といったのどかな雰囲気であったが、やがてゲートが現れてその先の空気は一変している。
まるで魔獣を封印するかのような厳重なゲートだ。
いったいこの先に何が私を待ち受けているのか。
身震いがしてきたぞ!

森の中、ぬかるんだ道をあるいてゆく。
わきには小さい沢が流れている。

足を滑らせないように注意しながら進む。
小さな沢とはいえ、滑り落ちればそれなりのダメージを受けてしまう。

やがて切通しの谷が現れた。
昔、映画ネバーエンディングストーリーで見たシーンを思い出す。
谷を一人の騎士が抜けていくのだが、その谷を抜けるまでの間に心の奥底に少しでも恐れを抱いたら、光線によって一瞬でその身を焼かれてしまうのだ。
まさかこの谷にそんな仕掛けはないだろうが、何があるかはわからない。
かるがもレーダーをマックスに作動させて警戒してゆく。
おおっと、危ない。
少し足を滑らせてしまった。
今は謎の光線のことより、このぬかるんだ足下に気をつけることとしようか。

やがて谷を抜ける頃に川の流れが見えてきた。

ここがS秘境といわれる場所か!
ようし、周囲の探索を開始するぞ。
なんとしても犬岩をわが目で確認するんだ!

ん?なんだあれは。
何気なく川の流れゆく先に目をやるとそれは存在した。

これが犬岩か!ついに発見したぞ!
確かに犬のような形をした大岩だ。
私にはこっちを向いているたれ耳の柴犬のように見える。
頭の上に木が生えていると思うとかわいらしい。
しかしなぜ岩がこのような形になったのか。
自然というのは不思議なものだ。
また大きな地震がくるようなことがあれば今度は転げ落ちてしまうかもしれないな。

川の流れは犬岩の先にさらに続いている。
たどってみたいところだが今日のところはこの辺にしておこうか。

おわり

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